illustration+design

ALASKAについて

バックパックを担いで色々な国をほっつき歩いてた二十代の中頃、アラスカのフェアバンクス空港で知り合ったカメラマンに同行して、オーロラを追いかけながら北極海のプルドベイまでのDaltonハイウェイを車で行ったり来たりしたことがあります。その時目にしたアラスカ原野の風景が、いまでもすぐ思い浮かべることができるほど強烈に脳裏に焼き付いています。地平線までゆるやかなうねりを重ねる雪原、刻々と彩度が変化する大地と夕空全方向一面のピンク、ブルックス山脈の光と影のコントラスト、深夜のハイウェイに月光を背に浮かぶムース(ヘラジカ)の巨大なシルエット、などの原野の風景、特に色彩の記憶が原点となり現在のTOMOTのクリエイティブ・ワークにおいて様々なデザイン的特徴として現れています。旅から十数年経ったいま、すでに心象風景となりつつあるアラスカ原野の風景と、そこで暮らす野生動物のイメージを繋ぎ合わせてイラストレーションの連作を制作しました。
現在暮らしている南九州の海辺の冬の空や海も、とても多様で繊細な風景の色彩を楽しむことが出来ます。この色彩がグラデーションとなりながらアラスカまで繋がっていることを知っていることが、とても豊かなことと感じます。

Calendar 2016 ページへ戻る